私がレジを打っていると三軒先の家具屋のおばさんがやってきた。
「ああ、いたいた」
私の姿をみとめるとニコニコして言った。
「注文してくれたカラーボックス、届きましたよ」
そうだった。2ヶ月ほど前、このお店に頼んでおいたのだ。
「東南アジアの生産物だから仕入れに時間かかっちゃって」
笑うおばさんに礼を言って見送ると、今度は近所の靴屋のご主人が入ってきた。
ビールをレジに置きながら、いつもは無口なご主人が言う。
「学校はいつから始まるの?」
この靴屋では、以前短期バイトをして、北海道旅行の資金を貯めたことがある。
「1月11日からです」
答えると、
「大学も小学校も一緒なんだねぇ」
と、感心して行ってしまった。
「ちょっと、一番搾りの大瓶を10本、ツケといて」
慌ただしくそう言って、近くの料理屋のおかみさんがビールを抱えて出て行った。
うちは、古い付き合いのあるご近所にはツケがきく。コンビニってそういうものだろうか。
悩んでいると、町内のお寺の奥さんが来店した。
「いつものを20、配達してください」
断っておくが、うちの店は宅配サービスとかを行っている大手コンビニではない。
単に商店会の付き合いが深いので、オーナーが親切にしているのだ。
ほとんど「こち亀」の世界である。
夕方には小学生達が小銭を握りしめて、うまい棒やビックリマンチョコ、よっちゃんイカなどを
買って行った。
都会の喧騒の中でいつまでも昔ながらの営みを続ける、それがうちの店だ。 |